証券外務員資格とは?
金融機関で投資信託や公社債を取り扱う為に必要な資格が「(証券)外務員資格」です。
金融機関の窓口で投信販売している人は持っていると思っていいです。
つまり、金融機関で働くには最低限必要ともいえる資格になります。
もちろん、私も証券外務員資格(一種)を保有しています。
証券外務員には「正会員資格」と「特別会員資格」の2つに分かれています。
※特別会員とは、主に銀行などの金融機関の従業員など
一般的に証券外務員資格と言うと、
誰でも受験することができる正会員資格の「二種外務員資格」になります。
この資格を持っていると、証券会社や銀行等の金融機関で
株式・国債・公社債・投資信託等の現物取引を取り扱えます(販売、勧誘、仲介等)
また、先物・オプション・デリバティブまで、リスクの高い金融商品を取り扱うには「一種外務員資格」に合格して外務員登録が必要です。
2022年時点では、証券外務員試験は一種・二種に関わらず、誰でも受けれる試験になりました。
一種の受験資格に2種の合格が必要なんていう順番もありません。
なので、参考書や問題集も本屋に沢山並んでますし、資格取得講座も多いですね。
その昔、一種証券外務員の受験資格は、
・一定の金融機関(証券、銀行、生損保等)の役職員と採用予定者
・二種証券外務員の合格者
だったのです。なので一種の参考書等が少なくて勉強に苦労しましたけど、今は良い時代ですね!
証券会社等で働くまではいかなくても、FP(ファイナンシャルプランナー)としてリスクの高い金融商品についての知識や法令などを知っておくためにも、一種証券外務員資格の勉強はとっても意味があることだと思います。
証券外務員 試験概要
ここでは、一種(証券)外務員資格について記載しています。
※二種(証券)外務員資格については、2種証券外務員試験 合格体験記をご覧ください。
この一種証券外務員はペーパーテストではなく、ITベンダー資格でおなじみのパソコンで実施する試験です。プロメトリック(株)にて申込します。
年に数回とか、日程が決まっている訳ではないので、自分のペースでできるので良いですね~。
逆に、ズルズル行ってしまうことも考えられますが・・・。
・試験時間:2時間40分(160分)
・試験問題:100問 (440点満点)で 308点以上で合格!
<内訳> ○×問題 70問×2点 の 140点満点
5肢選択 30問×10点 の 300点満点
二種と比較すると、試験時間が+40分、試験問題は+30問。
こちらも二種外務員資格と同じように5肢問題をいかに落とさないかにかかってきます。
ちなみに計算問題は「5肢選択」で出題。
デリバティブ取引の計算問題があるので、二種の計算問題より格段に難しくなっています。
証券外務員 出題範囲
証券外務員の出題範囲は、大きく3分野に分かれます。
・法令・諸規則 ・・・ 金融商品取引法、日本証券業協会定款、証券取引所定款 等
・商品業務 ・・・ 株式、債券、投資信託業務・デリバティブ取引 等
・関連科目 ・・・ 経済・金融・財政の常識、証券税制、株式会社法概論 等
です。
出題範囲としては、デリバティブ取引(商品業務)の科目が増えるだけで変わりないのですが、二種が基礎的知識を問うのに対し、一種は実務的、専門的知識を問うので、〇×問題も難易度が上がります。
個人的にデリバティブを使った資産運用をしている人はあまりいないと思うのですが、株式や債券、投資信託の商品知識も、もちろん問われますので資産運用経験は役に立つと思います。
「法令・諸規則」は外務員として守らないといけない規則など、とっつきにくい分野。
証券外務員資格試験では中心テーマなので、通信講座等を使って、証券外務員通信講座(フォーサイト)ここはしっかり勉強したいですね。
実際に利用した参考書・問題集(&おススメ)
私、独学で一種証券外務員の勉強に使った参考書と問題集はこちらです。
<参考書>
・うかる!証券外務員一種 完全攻略 2010年版
<問題集>
・証券外務員「一種」資格試験問題集〈2009年度版受験用〉
一種証券外務員は、二種証券外務員+αなので、
二種証券外務員の試験範囲は、時間をかけずにサラッと
一種証券外務員の試験範囲は、じっくり時間をかけて
と思ったので、+αが分かる参考書が欲しいなと探していたら、ぴったりなものを見つけました。
大きく「二種のおさらい」分野と「一種特有の出題範囲」に分かれているのでとっても便利でした。
が、もう数年前の話ですから、今受験するとしたら選ぶであろう参考書と問題集も挙げておきますね!
<参考書>
・うかる! 証券外務員一種 必修テキスト 2022-2023年版
<問題集>
・2022-2023 証券外務員 対策問題集 一種
上記の参考書も、テキストの後半にデリバティブ取引がまとまって書かれていますから、一種特有の出題範囲が良く分かります。また、配点予測も書いてあって、これが使えますね!
あとは問題集。問題は沢山解けば解くほど試験対策になりますよ。
一種証券外務員 受験体験記
力を入れた分野
やはり、一種証券外務員資格特有の出題範囲
・信用取引
・デリバティブ取引(先物取引、オプション取引、スワップ取引)
に力と時間を割きました!。難しい範囲ですし。
CFPの金融資産運用設計でやりますけど、苦手だったんですよ・・・。
用語の理解も大切ですが、特に計算問題がポイントですね。
一種出題「デリバティブ取引等」のウエイトは?
ちなみに、一種証券外務員資格試験の特有の出題科目「デリバティブ取引」ですが、
配点は、約106点(440点中)
<内訳>
・○×問題で約16点
・5肢選択問題で約90点
となっています。約1/4を占めてきますので、これが分からないと合格は出来ないかな・・・。
それ以外では、
・株式業務・・・52点
・協会定款、諸規則・・・46点
・債券業務・・・40点
・投資信託及び投資法人に関する業務・・・34点
・金融商品取引法・・・32点
などと続きます。金融商品に重点が置かれていますが、法令も要チェックですね!
また、一種外務員資格の試験では、「二種外務員資格の内容もかなり出題される」というのが感想です。
なので、二種(証券)外務員資格の範囲を勉強・復習しないと合格は遠のいてしまいます。
二種証券外務員資格試験に合格したら、忘れないうちに、すぐに一種証券外務員資格試験を受けましょう。
連続受験で仕事に勉強に大変ですが、結局それが一番効率的なのです。
試験直前の過ごし方
試験直前期にやったことは二つです。
1.問題集を解きまくること
1種特有の範囲「先物・オプション・デリバティブなどの」計算問題を中心に、苦手な科目の「財務諸表と企業分析」と、外務員試験のコアとなる「協会定款・諸規則」、それに、過去問で間違い続けた問題をやり続けました。
逆に得意だった、「投資信託」「経済・金融・財政の常識」なんかは一切やってません。メリハリが大切ですね。
2.A4用紙に暗記事項をまとめること
これは、自分がうろ覚えの内容を試験直前に一目で見れるように作ってました。
テキストだと短時間で探せないし、暗記が定着している内容まで見てしまうので、直前期では効率悪いですよね。
具体的に、どんなことが書かれているかというと、
証券金融会社・・・免許
金融商品取引業・・・登録
PTS業務・・・認可
付随業務・・・不要
みたいな感じです。
それがA4用紙に、乱雑に書かれています。自分だけ分かればいいんです。
なので、この用紙は人それぞれ異なりますから、他人のメモを見ても全く参考になりませんけど、こういうことをやっていたという手段は勉強になると思います。
試験直前、待合室で待っているときはA4用紙をずーっとみて、最後のあがきをしてました(笑)。
合格のポイント
合格のポイントは、ちゃんと時間をかけて勉強することです♪
そんなん分かっとるわい!とのお叱りが来そうなので真面目に。
まずは証券外務員の得点ですが、
<70問出題>
○×方式の問題は1問2点
<30問出題>
5肢選択方式の問題は1問10点
の総問題数100問。440点満点のうち、7割(308点)以上が合格です。
つまり、5肢選択方式の問題全部正解すれば、それで300点。
ほぼ合格なんです!!だから5肢選択問題の研究がめちゃくちゃ大切です!
で、計算問題はほぼ5肢選択方式からの出題になりますから、
計算問題のパターンを知り尽くしておくことが合格のポイントではないでしょうか。
あとは、2種外務員資格試験の範囲からも沢山でますので、
2種受験の直後に受けるとか、2種の範囲の復習も手を抜かずにすることが大切です。
そんな感じで、頑張ってくださいね~。
一般の一種証券外務員合格の紙が見当たらなかったので、その前に受けてた「特別会員一種証券外務員」の合格証を代わりに。これで自分が金融機関に勤めていた証明にもなりますね!
一種外務員資格試験に合格した後は
外務員資格試験の最上位資格は一種です。
なので、これ以上、上を目指すことはできません。
・金融機関での管理職を目指して「内部管理責任者」を目指す
・幅広い金融知識の取得を目指し「CFP:金融資産運用設計」を目指す
また、経路の違う資産運用として
・不動産「宅地建物取引士」を目指す のも良いかもしれません。
FP(ファイナンシャルプランナー)は、お金のマネードクターなので知識の広げ方は無限大ですね。